子どもへの言葉かけは、まるで呪文のように
その子の行動に影響します。
先日、電車の中である家族を見かけました。
母親の「かわいくない」の一言で、
その子が、かわいくない行動を取り始めたことに
驚きました。
「かわいくない」の一言が可愛くない行動を誘発する？
電車で見かけた、母親と３人の子どもたち。
私の隣の席が２つ空いたところに、
３人の子どもが一斉に駆け寄ってきて座りました。
長女らしき女の子は、
一人分の席を大きくとってマンガを読み始めました。
そこへ母親が、
「もう少し、そっちに詰めて」と一言。
間髪入れず、
「イヤだ」と余計に席をとろうとする女の子に、
母親から、
「カワイクナイワネ！」
と非難の音色を帯びた一言が
追い討ちをかけました。
隣で見ていた私は、
「あー、やっちゃったな・・・」と内心思う。
その時から、
女の子は可愛くない態度を取り始めました。
足を投げ出したり、弟たちをつついたり、
大げさに両腕を広げてみたり・・・。
隣の私には直接害はなかったので、
その点は、きっと考えていたのでしょうね。
それにつられたのか、
弟たちもわがままを言い始め、
母と末っ子らしい男の子が、
違う席に移ったところから、
姉と弟のカワイクナイ合戦が始まりました。
「ねえねえ見て、
私たちこんなにカワイクナイの！」
かわいくない行動の本意は、おそらく「自分をもっと見て」
姉と弟の一見カワイクナイ行動。
その真意はおそらく、
「もっと自分のことを見てほしい。」
そういう欲求なのだろうなあと思いました。
つまりは「承認」です。
子どもは、無意識のうちに親からの承認を得ようとします。
その行為として、
親が喜ぶ行為をとる子もいますが、
親の反応を試す子もいるのです。
自分を見てほしい、受け入れてほしい、認めてほしい、
それを上手に伝えられないので、
親が注目してくれる行為をするのです。
女の子からすると、
自分が「カワイクナイ」行動をした時に、
すぐさま「カワイクナイ」という反応を得ることができた。
だから、それをもっと得るために、
もっと見せつけるために、
「カワイクナイ」行動がエスカレートしていったように
側からは見えました。
その真意は、ただただ、
「自分のことを、もっと見てほしい」
ということなのでしょう。
子どもも母親も悪くない
結局私がその場を去るまで、
その状態は変わりませんでした。
何か手を差し伸べたい、と思いましたが、
親子の関係に、頼まれてもいないのに、
横からしゃしゃり出るわけにもいかず、
そもそも私には迷惑はかかっていないので、
残念な思いでその場から離れました。
私にできることは、
それらを責めることなく受け止めることだけでした。
母親は、終始不機嫌そうな表情でした。
疲れているのでしょう、
負担がかかっているのでしょう、
心にゆとりがないのでしょう・・・。
誰も悪くはないのに、
誰も満たされないという現実だけが残っていました。
この母親も、もっと気持ちを楽にして、
子どもたちと関わりあえたら、
もう少しみんなが笑顔になれるんじゃないかしら。
なのに、それが難しいところに、
まだまだ母親の子育ての負担が大きい現状がある、
そう思いました。
子どもにも大人にも、幸せになる言葉かけは大事です
相手が子どもであろうと大人であろうと、
幸せな気持ちになれる言葉かけが大切です。
もちろん、
自分自身に対してもです。
自分をついつい否定してしまう人は、
自分に対して否定的な言葉を投げかけていることが多いです。
この言葉を変えるだけで、
意識が変わるとも言います。
以前、担任をしていた時、
子どもたちに幸せになる言葉について聞いてみました。
圧倒的に多かったのが、
「ありがとう」でした。
他には、
「がんばってるね。」
「えらいね。」
「一緒に遊ぼうね。」
「よくできているね。」
などなど。
どれも自分自身や自分の行動に対しての
承認の言葉でした。
だから、否定ではなくて承認の言葉を使うことが
大事だと思います。
言葉かけの効果を生かして、
幸せな気持ちを育んでいけたらいいですね。
読んでくださり、ありがとうございました。
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